高校生
VOLUNTEER AWARD
2024 高校生ボランティア・アワード
大会サマリー

  • 8.6 [TUE]
  • 8.7 [WED]

はじめに

  • 今年一月一日、能登半島で大地震が起きました。
    被災された方々のご無念や、喪失感、また悲しみ、怒りといった思いを受け止めながら、同胞として私たちに出来る精一杯の支援を続けていくつもりです。
    また、このことでも私たちの国は常に地震被害と闘う心がけが必要なのだと、改めて教えられた気がします。
    地震災害だけではありません。ゲリラ豪雨による災害も年々酷くなります。灼熱の夏をこのまま永遠に諦めるのか、と問われている気がします。
    では私たちの国はこれから何と立ち向かい、何をどうすれば誰もが安心して暮らすことが出来る社会になるのでしょうか。
    私は若い高校生の皆さんに大いに学び、考え、その活力で社会を導いて戴きたいと願います。
    あなたの可能性を信じます。
    あなたの志を応援します。
    今年のボランティア・アワードで何が起きるのかがとても楽しみです。
    未来のために考えていきましょう。

  • 公益財団法人 風に立つライオン基金
    設立者・理事 さだまさし

DAY 1

開会式 & 発表大会 & 交流会

8.6 [TUE]

10:00 受付〜表彰状授与〜記念写真撮影
12:20 開会式
13:00 ブース発表大会
16:30 交流会

 

「高校生ボランティア・アワード2024」が、2024年8月6日・7日の2日間、新宿住友ビル三角広場で開催されました。過去最多152団体のエントリーから6月のオンライン活動発表交流会を経て、88団体がブース発表団体として選出され、この日全国から集まりました。

 

1団体あたりの参加人数も過去最多を更新して20人以上という団体が複数ありましたし、遠方からも大挙して参加してくださったおかげで、参加総数が例年を上回り、会場はのっけから大盛り上がり。
司会の川島アナウンサーがオンラインの予選会にも参加してくださったこともあり、参加生徒の皆さんも安心感があったのではないかと思います。「みなさーん、元気ですかー!」と高いボルテージで川島さんが呼びかけると、一斉に「イエーイ!」と何十倍も元気な反応が返ってきました。端から楽しんでいる高校生たちの姿が印象的でした。

              

受付が終わった生徒たちは、まず古竹理事長から表彰状の授与を受け、そのままステージに登って大会委員長のさだまさしと川島アナウンサーとの記念撮影。終わり次第ブースの飾り付けや準備という流れは例年通りですが、いつにも増してスムーズに運びまして、予定通り12時20分から開会式がスタートしました。

 

大会委員長のさだまさしは、「若い力が嬉しいね。この人たちは何がすごいって、全員が誰かの役に立たないかと思っている人たちなんです。同じ志の人たちが手を携えて、同じ方向へ向かって協力していく流れが過去のボランティア・アワードで起きていますので、今年も期待したいですね」と一言。さらに西日本豪雨に際して岡山県総社市の中高生たちが立ち上がり、苦境にあった地元を助けたことを引き合いに「中高生は社会を変えていく力があります。今日明日楽しみにしています」とエールを送りました。

 

例年、多数の応募作品が集まる大会ロゴマークの今年のテーマは「共に生きる未来」。イメージが少し限定されてしまったのか、231点の応募作品には似通った作品が多く見られましたが、岐阜県立多治見工業高等学校の中村優希(なかむら ゆき)さんの作品が最優秀作品に選ばれました。

「デジタル画像が多い中、素朴で手描きの体温を感じる作品でした」と大会委員長の総評がありました。

後援、協賛、特別応援など大会をご支援くださっている企業や団体の皆様をご紹介したあと、ここで応援団のご紹介。
第1回大会から欠かさず来てくださっているテツandトモのお二人は「2日間、皆さんのブースをできる限り回らせていただきたいと思います」と、今年も高校生たちの発表を楽しみにしてくださっていました。
今回初出場の泉谷しげるさんは、各団体から提出されたポスターを事前にご覧くださっていて「全てが素晴らしいから選びたくない」と第一声。「各ブースを壊して回ります」と冗談を言いつつ、泉谷賞に何を上げるか悩んでいると仰っていました。

 

開会式の締めに、参加校を代表して、広島県立広島叡智学園高等学校てれこみの四登智規(しのぼり ともき)さんが力強い開会宣言をしてくれました。

「宣誓! 私たち高校生は、この二日間、自分たちの活動に誇りを持って、相手の活動もリスペクトして交流することを誓います。 皆さんは最近、円安とか感染症とか、戦争とか悪いニュースばかりだと思いませんか? そんな中で高校生一人一人ができることは微力だと思うんですが、こういった交流する機会を活かして、ちっちゃい力を積み重ねていくことによって、大きな問題も解決できるようになるんじゃないかと思います。この交流の機会を最大限活かしていきましょう。一方で楽しむことを意識して2日間交流していきましょう。ありがとうございました!
2024年8月6日 広島県立広島叡智学園高等学校てれこみ 四登智規」

ブース発表大会は、時間制限や事前登録制にしたものの、コロナ禍以前の一般来場者を受け入れる形に戻しました。高校生同士の交流メインの時間も両日1時間ずつ残しつつ、外向けの発表メインの時間と分けることにより、それぞれに違う経験値を積むことができたのではないかと思います。

16時20分にブース発表大会が終わると、昨年と同じく交流会の時間となりました。お互いのブースを訪問したり、名刺交換をしたり、一緒に新しいプロジェクトを立ち上げる約束をしたり、参加した高校生たちそれぞれが自由に過ごす中で、自然発生的に化学反応が起きることを期待しながら、緩やかな時間を過ごしてもらいました。

協賛ブースや特別応援ブースでも高校生に向けた様々な企画が用意されました。
DNP大日本印刷さんは、高校時代に是非読んで欲しい書籍を参加高校生や関係者から募集して展示し希望者にプレゼントする企画、三菱UFJフィナンシャル・グループさんは学校では教われないお金や経済に関する講義、国境なき医師団さんは、海外での活動を報告する中で世界を取り巻く様々な情勢や命の重みを伝えてくださいました。また、さだまさしがパーソナリティを務めるレギュラー番組「1時の鬼の魔酔い」(東海ラジオ放送)は各ブースを回って高校生たちのインタビューをしたり、リクエストコーナーを設けて多くの声を集めていました。

DAY 2

シンポジウム & 発表大会 & 閉会式

8.7 [WED]

10:00 シンポジウム
12:00 ブース発表大会
15:30 表彰式・閉会式
16:20 応援団パフォーマンス

 

二日目の午前中は、参加高校生全員が参加するシンポジウムが開催されました。
冒頭、今回のテーマ「共に生きる未来」について、スペシャルナビゲーターの鎌田實(かまた みのる)先生から、「今が大事だし、未来が大事、つながりをどう作っていくのかがすごく大事だと思います。そんなお話が聞きたい」とシンポジウムに向けての期待をお話いただきました。

 

今年のパネリストは、災害NGO結(ゆい)代表の前原土武(まえはら とむ)さん、小児科専門医・新生児指導医の寺澤大祐(てらざわ だいすけ)さん、俳優・富田望生(とみた みう)さん、国境なき医師団プロジェクトコーディネーターの李亘(い くん)さんの4人をお迎えしました。

「活動の中で感じていることは、やはり人は一人では生きていけない。沢山の方々と関わり交わることで共に生きていけるということ。その中で、相手も大切ですがまず自分が大事。自分が幸せであり元気だからこそ大切な人や家族、友達、周りの人々に手を差し伸べられたり、助けることができるんだと思う。自分が幸せであることが人を幸せにできること。その幸せの輪が広がるからこそ、未来が続くのだと思っています。自分の生きる力を普段の暮らしの中、遊びの中で育てていくことが共に未来を生きる力になると思う」(前原土武さん)

 

「大学生の頃、日本のあちこちを自転車で走った。ほとんど野宿だったけれど、台風が近づいてきたことがあって、交番で相談したら警察署を紹介してくれて、警察のあるフロアで一晩寝させてもらった。翌朝おにぎりをくれて、お弁当も持たせてくれた。人ってこんなに優しいんだ。大人って優しいんだなと思った。困ったと言ったら助けてくれるんだと思った。その経験が今の活動に繋がっている。自分の足で歩けば(未来は)開けていく、誰かを頼れば必ず誰かが助けてくれる。生きていることは、実はたまたま偶然の積み重なりなんです」(寺澤大祐さん)

 

「小学5年生の時に東日本大震災に遭って、東京に来て、自分の地元(福島県)とどう向き合っていいかわからない時期が長かった。高校生になって映画デビューしてやっと自分のやりたいことに出会って、故郷と離れていても共に生きることはできるんだと気付けた。自分の作品を地元に人に見てもらえて「良かったよ」「元気なんだね」という些細な一言が、どれほど支えになったか。自分自身と相手と共に生きることに素直に向かっていけるのではないかと。その都度出会う人を大切にすること、出会うセンサーはとても大切だと思う」(富田望生さん)

 

「高校の社会の先生が『李、アフリカやぞ』と言った。それで国際紛争やアフリカの問題に関心を持ち、大学、大学院と勉強をして国境なき医師団に入った。いろんなことに興味を持つ、幅広くセンサーを掲げることは大事。南スーダンや南アフリカは皆さんにとっては遠い国ですが、遠くにいる人達も共に生きているし、もしかしたら未来のどこかで出会うかもしれない、そんな意識を少し持ってもらえるといいかなと思います」(李亘さん)

参加高校生からは日頃の活動で感じている矛盾や疑問、また災害支援に対する悩みなどを4人のパネリストに次々に質問し、活発な議論が交わされました。

 

午後からは初日に引き続きブース発表大会。事前登録された一般の方、クラウドファンディングでこの大会にご寄付くださった方、学校関係者の方々、協賛各社の方々など、多くの方が高校生たちにエールを送るためにご来場くださいました。
応援団のテツandトモのお二人、ももいろクローバーZの高城れにさん、泉谷しげるさんもブースを熱心に見てくださいました。
自分たちの活動を一所懸命に伝えようとする高校生たちの真剣な眼差しと、熱い思いに来場者の皆さんは圧倒されたと口々にお話くださいました。

そして例年同様、最後の締めくくりは特別賞の表彰式と閉会式です。過去最多の21の特別賞が用意されました。

最後の最後に、ゲスト応援団がパフォーマンスのプレゼント。高校生たちに精一杯のエールを送ってくださいました。熱い夏の二日間が幕を閉じました。

「未来、つまりあなたがたが大人になった頃に、この国がいい国になっているだろうと、あなた方の活動を見ていると信じることができます。これからも元気で 頑張っていきましょう。」(さだまさし)

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