先週に引き続き、9月19日・20日の2日間、令和8年熊本地震の被災地である熊本県宇城市と、今回初めて開催する八代市を訪れました。
19日は2チームに分かれ、宇城市豊野町の光照寺と、八代市の萩原会館でライオンカフェを実施。20日は八代市の萩原会館で、地域のみなさんとの交流を続けました。
今回の活動では、猿田彦珈琲さんにもご協力いただきました。宇城市と八代市の両方でチルド珈琲をご提供いただいたほか、八代市では猿田彦珈琲のスタッフの方にも現地にお越しいただき、一杯ずつ丁寧にドリップコーヒーを淹れていただきました。
コーヒーを囲んで生まれる会話。その一杯が、被災後の地域で過ごすみなさんにとって、ほっと一息つく時間になりました。

お彼岸の光照寺で「これから」を考える
19日、宇城班は宇城市豊野町の光照寺を訪問しました。
この日は、お彼岸の法要が行われ、午前中には、光照寺の糸山住職、KISA2隊の奥先生、風に立つライオン基金の松本顧問による「お彼岸対談」を開催。
被災後の地域では、公費解体が始まる一方で、「病院もない」「お店もない」「何もない」「豊野では生活ができない」と感じる方もいます。
そうした中、糸山住職からは、これからの豊野に希望の光を届けたいという思いが語られました。
対談では、地域のこれからを考えるだけでなく、健康づくりや、それぞれが抱える苦難とどう向き合っていくのかなど、暮らしや心に寄り添うテーマについても意見を交わしました。
医師として医療に携わる奥先生、風に立つライオン基金に関わる松本顧問、そして地域に根を張るお寺の糸山住職。
それぞれ異なる立場の3人が言葉を交わすことで、復興の先にある地域の暮らしや、これからの豊野について考えるひとときとなりました。


対談の後は、コンテナハウスでライオンカフェを開催。コーヒーの提供やたこ焼き、健康相談などを行い、地域のみなさんと交流しました。

初めて訪れた八代市で、コーヒーを囲む
八代班は初めて八代市を訪れ、19日と20日の二日間にわたって、萩原会館でライオンカフェを開催しました。
今回のカフェには、猿田彦珈琲さんにもご協力いただきました。チルド珈琲をご提供いただいたほか、スタッフの方も現地まで足を運び、一杯ずつ丁寧にドリップコーヒーを淹れてくださいました。
コーヒーを飲みながら会話を楽しんだほか、フットケアやストレッチ、健康相談も行いました。猿田彦珈琲のスタッフの方が淹れるコーヒーを囲みながら、参加者との会話も自然と生まれていきました。


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萩原会館の近くには、長く地域のみなさんに親しまれてきた老舗の喫茶店「ミック」がありました。
今回の地震で、その建物は倒壊してしまいました。
そのミックの常連だったという方が、ライオンカフェで久しぶりにコーヒーを口にしました。
そして、一口飲んで、「あー、おいしい!」と、嬉しそうに話してくださいました。
そこにあったお店がなくなってしまっても、コーヒーを飲む時間や、誰かと一緒に過ごす時間までなくなってしまったわけではありません。
一杯のコーヒーをきっかけに、以前の暮らしを思い出したり、誰かと会話をしたり、少しだけほっとしたり。
この日のコーヒーには、そんな時間が流れていました。
参加者からは、「ゆっくりできました。家族と一緒にゆっくりする時間がなかったのでよかった」という声も聞かれました。
日中は仕事やボランティアで忙しく、翌日も片付けなどの予定がある中で、意識的に休憩する時間をつくったといいます。
また、普段は災害支援に携わる薬剤師や地域包括支援に関わる方からは、自身も被災者となったことで初めて気づいた思いについてのお話もありました。
支援する側だった人が被災者となり、家の片付けや仕事などが重なる中で、「思考停止してしまった」という経験。
「みんな話したいんだなと思った」そんなスタッフの言葉の通り、カフェで交わされる何気ない会話の中には、被災した方々が抱えているさまざまな思いがありました。

たこ焼きづくりでは、子どもたちも参加。戸惑いながらも、一緒に作業をする中で自然と会話が生まれました。
二日間のライオンカフェでは、健康相談やマッサージ、フットケアに加え、コーヒーやたこ焼き、抹茶なども用意し、地域の皆さんとゆっくりとした時間を過ごしました。
活動後の振り返りでは、参加したスタッフから、それぞれの2日間を振り返る言葉が寄せられました。
「被災者もグラデーションがあり、それをどううまく届けていけるか。縁をつなげるかと思いました」
「1か月半すぎて疲れていたなかで、届いていない声があり、動きたいけど動けないというつらさがあった。でもチームで動くことで、看護師としての強みも活かせると感じました」
また、現地の方と直接触れ合うことで、「言葉の裏にあるものに触れることができた」という声もありました。
そして、奥先生からは、「『再会の力』ってあると思うんです。今日は嬉しかったし楽しかった。また再会しましょう」という言葉がありました。
一度きりではなく、もう一度顔を合わせる。「また来たよ」「元気だった?」と声を掛け合う。
そんな何気ない再会も、被災後の地域にとって大切な時間なのかもしれません。
コーヒーを囲んで交わされる会話や、たこ焼きを一緒に作る時間。その一つひとつの中に、少しずつ日常を取り戻していくための時間がありました。

TOKAI RADIO(東海ラジオ)「グレープのもう魔酔わない!」のリモート収録も行いました。
八代市議会議員であり、谷田病院の地域看護師でもある蓑田由貴(みのだ ゆき)さん、肥薩おれんじ鉄道株式会社 代表取締役社長の中村誠希(なかむら せいき)さん、そしてKISA2隊の奥知久先生にご出演いただき、この日のライオンカフェの様子や、八代市の現状についてお話しいただきました。

「また来てほしい」と言ってくれる人がいる
今回の活動で、特に印象に残ったのは、地域のみなさんとの「出会い」でした。
2日間、ライオンカフェを訪れてくれた喫茶店ミックの娘さんのきくちゃんは、カフェの中でもスタッフと一緒に過ごし、最後にはスタッフを代表して挨拶をしてくれました。
「地震があってから、いろいろと寂しかったけど、皆さんと会えて楽しかったし、嬉しかったです」
そう話すきくちゃんの姿を見て、ご家族も、地震のあと少しずつ変化してきた娘さんの姿を感じたそうです。
被災後の時間の中で、子どもたちもまた、それぞれの思いを抱えながら過ごしています。
そんな中で、久しぶりに人と会い、一緒に笑い、一緒に過ごす。
その時間の中で、子どもの成長に気づくこともあります。
ライオンカフェは、誰かと話したり、ほっと一息ついたり、久しぶりに顔を合わせたりできる場所です。
何気ない会話を交わしながら、少しゆっくり過ごす。
そんな時間の中に、人と人とのつながりが生まれていきます。

つながりを、次の活動へ
一度訪問して終わるのではなく、現地のみなさんとつながり続ける。
そして、その土地で必要とされていることを聞きながら、次の活動につなげていく。
今回、宇城市では「これからの地域」を考える対話が生まれ、八代市では初めての訪問の中で「また来てほしい」という声を聞くことができました。
一杯のコーヒーをきっかけに生まれる会話。
体をケアしてもらう時間。
久しぶりに顔を合わせて笑う時間。
そして、かつて地域にあった日常を思い出すような一杯のコーヒー。
そうした一つひとつの時間が、人と人とのつながりを少しずつ育てていきます。
「また再会しましょう」。
その言葉を次の約束にして、私たちはこれからも被災地を支援し続けます。

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