大阪府立堺工科高等学校定時制の課程
ボランティア活動部
活動レポート


1 はじめに
本校は2011年に『東北支援プロジェクト』を立ち上げ、被災地支援活動をおこなっています。
被災地を訪問し、被災地の高校生を始めとする様々な方々と交流をおこない、支援活動を通じて災害について多くのことを学ぶことが出来ました。特に電気の大切さと、環境問題に取り組むことの重要性を痛感しました。
災害が起こると「ガソリン」や「軽油」が不足します。そこで、どの家庭にもある「天ぷら油」や「使用済みの油」で電気を作ることが出来る「バイオディーゼル発電機」を製作しました。
また、自然災害が多発している昨今、地球温暖化が原因だと言われています。その一因である「プラスチックゴミ」を資源にすることは出来ないかと考えました。「捨てればゴミ、活かせば資源」をモットーに活動をしている中で、「プラスチックゴミ油化装置」を作ることが出来ればと考え、パイロット機の製作に取り掛かりました。「プラスチックゴミ油化装置」で出来た油を「バイオディーゼル発電機」に入れると電気が出来るという取り組みです。  
2 活動内容
2-1 バイオディーゼル発電機とプラスチックゴミ油化装置による環境保全活動
自然災害に備えることはとても大切です。同時に防災や減災について考え、自然災害の一因だと考えられている「環境問題」に取り組むことも重要です。
そこで私たちは、環境に優しく、有事の際に大活躍する「バイオディーゼル発電機」とプラスチックゴミを有効活用することが出来る「プラスチックゴミ油化装置」を製作しようと考えました。地域と学校が一体となって「環境問題」に」取り組んでいます。

2-2 堺学
本校は、2006年から地域の伝統産業の「打ち刃物」と「線香」を学ぶ「堺学」という授業を土曜講座として開講しています。2011年に「東日本大震災」がおこってからは、授業で作った「包丁」と「線香」を被災地に届け続けています。

2-3 地域産業による被災地支援活動
近年は「堺学」から発展して、「包丁」と「線香」のほかに、地域産業である「蜻蛉玉」と「木彫り品」も被災地支援グッズとして被災地に届けています。また、2016年からは、これまでに寄贈した「包丁」の研ぎ直しのための被災地訪問もおこなっています。今年度は震災伝承館の来場者に配布する支援品も製作し、支援の輪を広げています。  
2-4 被災地高校と支援活動
被災地の高校と一緒におこなう支援活動にも力をいれています。宮城県農業高校は、津波で校舎が流され、残されたのは数頭の牛と数本の桜の木でした。生徒は、生き残った桜の木を増やすために、工夫を重ね「バイオテクノロジー」で桜の苗木を培養し、増やしています。私たちは、その桜の花びらを練りこんだ「コラボ線香」を作って支援活動をおこなっています。また、桜の花びらとヒマラヤ岩塩とを混ぜ合わせて作った「桜塩」でも被災地支援をおこなっています。
さらに、岩手県立大船渡東高校とは、被災地を椿の花でいっぱいにする「レッドあーペットプロジェクト」に取り組んでいます。同校には農芸科学科があり、「椿の苗木」をビニールハウスで育てています。  
3 まとめ
今年度は、新型コロナウイルスの影響で、「エコ・キャンドルナイト」の延期や各イベントの延期・中止など様々な活動が制限されました。また、訪問する被災地の範囲や回数も制限されました。
しかし、コロナ禍においても出来ることを模索し、工夫を重ねて、「ものづくり」を得意とする、工科高校の特性を活かした被災地支援活動をすることが出来ました。その結果、首相公邸において「内閣総理大臣賞」を受賞することが出来ました。そして、「ぼうさい甲子園」優秀賞、「エシカル甲子園」議会議長賞も受賞し、大阪府知事からも称賛して頂きました。  
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